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研究費はいくらくらいあればいいのか?



論文がでないひとつの原因を研究費の不足であるとしたが、いったどれくらいあれば足りるのであろうか?我々の実験ではマウスの飼育費、維持費に結構な金がかかる。また免疫学的な実験には高価な抗体が不可欠である。しかし10名以上実験者がいる場合は共有効果もあるのでひとり200万円くらいの見当で十分足りるかもしれない。そうすると大学院生も含めて15名程度のラボであれば年間3000万円くらいか。ただしこれには備品費が含まれていない。さらに国立大学ではそれでは全く足りない。秘書や技官、場合によってはポスドクの給料も必要なのでプラス1000万円はどうしても必要であろう。毎年コンスタントに4000万円を稼ぐのは相当厳しい。しかし先端的な研究成果を出し続けるにはこの程度はぜひ欲しい。伯楽ロックビル氏の記事でも同程度の額をあげておられたので(実験医学、出典忘れました)さほど贅沢な額ではないだろう。しかし基盤Sでも5年で1億なので年間せいぜい2000万円である。私は本当に創造的な研究には余るほどの研究費は必要ないと考える。歴史的にもノーベル賞の種となる研究はほとんど研究費はかかっていない。文科省の調査でもすぐれた研究の多くは数百万円以下の基盤Cレベルでなされている(出典は下記参照)。白川先生や野依先生の仕事もそうだろう。若手に学術創成や特別推進やCRESTほどの大型予算は必要ない(スミマセン。私は必要です。若手の話です)。贅沢に慣れてかえって有害なのではないか。できれば中型で5年間コンスタントに保証してくれる制度が欲しい。


それにしても、研究者(あるいは大学の教授)とは因果な商売である。常に論文のreviewerと研究費の審査員の辛辣な批判にさらされて生きていかねばならない。褒められることは少ない。早く教授になるのは考えものだと思う。私は12年教授をしてこれからさらに15年教室を運営していかねばならない。もっと違った生き方ができたかもしれない、と思うこともないわけではない。





2006年 4月27日:若い研究者+少ない費用=国際的評価の論文(読売新聞記事)

国際的に高い評価を受けた論文を書いた日本人研究者は、平均年齢が39・9歳で、その半数が約490万円以下の比較的少額な研究費で成果を上げていたことが、文部科学省科学技術政策研究所の調査でわかった。(詳細は文科省調査参照)

  政府は10年前から公募型の競争的研究資金の拡充を進め、数億円単位の大型研究も増えているが、研究費の額が必ずしも成果に直結していない皮肉な実態が浮かび上がった。

 国内には約79万人の研究者がいるが、同研究所は、国際的な文献データベースを基に、ほかの研究者から引用される回数が、世界的に見て上位10%に入る「注目論文」を書いた日本人研究者858人を選び出し、2004年10月にアンケート調査した。

  注目論文を生み出した研究費は1万円から103億円と幅広かった。そのリストの真ん中にいる研究者の受給額は490万円程度で、受給額で最も多いのは100万円だった。研究費の出所については、政府の競争的研究資金を使った研究者が61%に上った。

  アンケートでは資金の配分方法についても尋ねたが、「評価基準が不明瞭(めいりょう)」「政治力だけの研究者を優遇している」といった厳しい見方をしているトップ研究者が多かった。競争的研究資金は、総額4600億円と10年前に比べ4倍近くに増えているが、その審査のあり方に再考を迫る調査結果となっている。

 


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